RSS
|
|
|
|
2006
/12
/20
|
・或る冬の物語
|
あヽ寒い。
深夜に目が覚めた。 ストーヴについている温度計を見ると、デジタル数字で09と表示されている。 寒いわけだ。
もう、冬なのだな。
そんなことを思いながら、布団に入るが、 寒さで眠れない。 ストーヴを点け放して寝るのは危険だから、 部屋を暖めてから眠りに付こうと思い、 ストーヴの火を点す。
部屋が温まるまで何もすることは無い。 暇である。
ふと目をやると、携帯音楽プレイヤーが目に留まる。 聞いてみるのも悪くないな。 イヤーフォンを耳に入れ、適当に楽曲を流す。
8年前の夏に発売されたCDの曲だった。
10年間を省みる歌だった。 そして、紡いで行こうという歌だった。
しかし、その曲の示すとおりに紡がれることは無かった。 その曲を歌っていたバンドは解散し、 皆散り散りになっていった。
その曲がライヴで演奏されることは無かった……。
そんなことを思い出し、 すと、涙が頬を伝った。
アレから8年……。
糸は紡がれようとしている。
|
|
|