復活日記
written by YOLY
生まれ変わって、虫になって。

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 2010 /11 /16
・第6話 6日目
 頭が重い。
 世界が回る。

 これは……、
 俗に言う……、

 風邪というやつだな。

 インドで、風邪、ひいちゃいました(テヘッ)。

 朝、4時。

 これ、どうしようかと。
 とりあえず、半身浴でもして、
 熱を少しでも冷まそうかと、風呂に入る。

 悪☆化。

 上手い具合には行かないね。
 とりあえず、少しでも寝るかと
 布団に入る。

 確か、6時半にはモーニングコールが鳴るはずだから……
 だから……
 だ……

 はっ。

 時計は?
 7時15分!?

 なんでやねん!

 モーニングコールは?
 聞いてへんで!

 っていうか、いそがな!
 ガイドさん待たせてまう……
 っていうか、からだ重い……

 だるぅ……。
 朝食?
 食べる気にならない……

 と、思いつつ、
 フロントに行くと、まだ、ガイドさんは居ない。
 よかった。
 急いでチェックアウトを済ませ、
 部屋でのビールとか、ジュースとかの高さに改めて驚き
 (TAXが入っていた所為でさらに高くなっていたんだと思われる)、
 ガイドさんと合流。


豪華ホテルの庭園。体調が良ければ……。


 1時間くらい車に揺られ、
 ファテープル・シークリーに到着。


何か、インドで綺麗な制服を着ている女の子を見ると
異常に萌えた。ギャップ萌えってやつか?
上の写真はぶれてるけど(笑)


 へとへとながら、
 時間がないとのことで(と言っても、この日には遅れはなかったはずなので、
 元からかなりの強行スケジュールだった模様)、
 駆け足で見学。

 ちょっとだけ、風に当って、楽になる。


風が気持ちいい……。



うろ覚え……。



巨大な門


 ファテープル・シークリー内にある、
 何でも、当時の王様が、願いをかけたら、
 子供を授かったという建物に行く。
 その願いをかけるヒモと布を、200ルピー(約400円)で買わないか?
 と言われ、まあ、旅の恥はかきすてだ。
 そんな霊験あらたかな一品ならば、
 数百円など惜しくないと、購入。
 で、何でガイドさんが2本のヒモの内1本持ってるのかは謎(笑)。

 世界平和と、
 自分のゲームの売り上げアップと、
 結婚……若しくは彼女が出来ますようにと、

 俗まみれの願いを思いに込め、ヒモを結ぶ。
 ガイドさんは俺の金で何を願ったんだろう(笑)。


さあ、俺の願いは叶うのでしょうか。


 で、いざ、ジャイプールへ出発。
 ジャイプールまでどれくらいですか?
 と聞いたら、あと4時間くらいと言われる。
 げ。
 そりゃ、時間無いワケだ。

 熱に加え、喉の痛みも出てきて、
 完全にグロッキー。
 あー。
 ホテルでやすみてえ。

 そんな俺を不憫に思ったのか、
 ガイドさんが、バナナを買ってきてくれた。

 ありがたう。と、バナナを食うと、
 運転手が皮を渡せと言ってくる。
 言われたとおりに皮を渡すと、
 道路に投げ捨て大爆笑。
 ……うん、まあ、いいけどさ。
 だから、インドって汚いんだよね……。

 もし、後ろに、ドンキーコングが居たら大スピンだな。
 とか、思いながら、
 ああ、コレは現実なのだろうか。
 それとも、悪夢なのだろうか。
 世界が揺らめく。

 気付くと、パーキングだった。
 休憩。とのこと。
 喉に良いから、と、チャイを飲ませてくれる。
 まあ、当然俺払い(ガイドの分含む)なんだが。
 そうそう。
 この旅で、俺、変わったんだよ。

 なんと、
 紅茶飲めるようになった……かも。

 なんとって程じゃないですが、
 私の友人なら知っての通り、
 生粋の紅茶嫌いなんですよ私は。

 でも、何か、
 インドだと、紅茶が美味しかったんだよね。
 気候とか、疲れとか、味付けとかあるかもしれないですが。

 まあ、まだ日本に戻ってきてから
 紅茶飲んでないので、
 本当に飲めるようになったのかは謎。

 で、チャイ飲んで、
 あー、でも、少し、喉にしみるわあ。
 と思って、売店ふらついたら、
 なんと、ここで、ホールズ発見!

 60ルピー(約120円)と、
 インドの物価からすればお高いですが、
 いや、ホールズで喉潤しますよ。
 やった!

 と、ホールズ舐めてほくほく顔の私。

 ガイドさんが話しかけてくる。
 この前の女の子たちはどうだった?
 昨日、あの3人と話したのだが、
 一人がYOLYさんを気に入っていた。
 もし良ければ、あちらの人たちと一緒に
 今日、パーティをしないか?

 と言うのだ、
 パーティ。
 なんて魅力的な響き。
 っていうか、その、3人の女の子と、
 いつの間に話したのかは解らないが、
 向こうのメンバーと飲みに行くって事か。
 それは、ちょっと魅力的だ。
 女の子が俺に惚れているかどうかは兎に角として。
 日本人と話したい。
 ……しかし。

 ……この体調では。

 少し考えさせてくれ。
 と言うと、
 お金なら、心配ない。
 自分(ガイド)の分は自分(ガイド)で払う。
 とのこと。
 とーぜんだろ……と思いつつも、
 ちょっと体調が優れないと言い、断る。

 また、眠気が襲ってきて、
 気付いたら、ジャイプールについていました。


インド名物(?)多人数乗車。


 ジャイプール。

 ピンク・シティとも呼ばれる都市。
 その理由は、エロイから……
 ではなく、建物がピンク色だから。

 城壁で囲まれたこの町で、
 昼食を取ることになる。
 予定では、
 豪華マハラジャホテルで優雅な昼食……

 となっていたのだが、
 どー見ても、普通のレストラン。
 こんなモノなのか?
 いや、違うだろうが、
 どーせ、高級飯っつったって、
 スパイスをスパイスで煮染めたものしか出てこないんだろうな。
 と、風邪で疲れていることもあるし、
 もう、ここでも、どこでも良いよ。
 と、飯を食う。

 よく考えれば、
 24時間ぶりの飯のハズなのだが、
 体調の悪さも相俟って、
 全く食欲がない。
 ほとんど食わずに残す。

 で、ジャイプール名物の天文台に行く。
 いつものガイドさん以外に、
 専門のガイドさんが着いて説明してくれるのだが、
 体調悪すぎて、
 なにを解説して貰っているのかも
 よく解らず。


日時計……だと思う。


 とりあえず、普段だったら、
 結構興味あるようなことを言われているのだが、
 解らなくても、どんどん次に進んでいった。
 後で、ガイドブック見て補完。

 その後、シティ・パレスへ。
 マハラジャの邸宅兼博物館だそうな。


いまでも、ココには人が住んでいるそうだ。


 すげーなあ。と思いつつ、
 さて、コレでホテルへ。
 と思ったら、
 明日行く予定のアンベール城に今日行っちゃおうという話。
 何でも、1日目の午後の予定を明日こなさないといけないから、
 本当は、象に乗る→城内を見物の予定を、
 今日、城内を見物→明日の朝、象に乗る。
 にしたいとのこと。

 まあ、体調最悪だったが、
 それでもいいか。と思い、
 そのプランを採用。


水の宮殿(中には入ってない)



鏡だらけの宮殿


 城は思ったより楽しく、
 とはいえ、半分酩酊状態のような感じで、
 一回り。

 出口で、コブラを操るおじさんが居た。
 本当にレッドスネークカモンだ!
 と、面白半分で見てたら、
 10ルピーと言われる。
 100ルピーで触らせてあげるというので、
 せっかくだたら、と、お金を払って、
 おっかなびっくり、ヘビに触る。
 何やってるんだ、俺(笑)。


レッドスネークカモン!


 で、ホテルへ。
 ホテルに向かう途中、
 午前に言った、パーティの件を誘われる。
 ちょっと、体調が回復してきていた事もあって、
 乗り気な態度になるが、詳細を聞くと、
 どーも、キナ臭い。

 1.ショーを見るためにお金がかかる。
  →よくよく聞くと、オプショナルツアーだった。
   ガイドさんの裁量で安くできるようだったが……。
   それでも、1000ルピーはかかる。
   別にショーを見たくないし、
   体調が悪いのですぐに帰りたい。

 2.向こうのメンバーはまだ来るか解らない。

 うん、これはあれだな。
 ワナだな。
 そう思い、適当な理由を付けて断る。

 と、土産買いたいんだけど。
 と、ガイドさんに昨日から伝えてあったのですが、
 ホテル着いちゃったよ。
 と思ったら、
 この後、2人で買いに行きましょうと言われる。
 ついでに、体調悪そうですし、
 薬草入りのチャイも飲みましょうと。
 歩いてか……
 俺の金でリクシャーでか?
 まあ、いいけどさ。
 このお金は、
 ガイド君。
 君のお金でもあるのだよ。

 ※ガイド君、君のお金でもあるのだよ計画とは。

 ガイドには、チップを払わなければいけない。
 相場は、1日150〜250ルピーらしい。
 で、7日間なので、
 1050ルピーから1750ルピー。
 であるが、まあ、ガイドさんにはお世話になっているし、
 最低2000ルピーは渡そうと思っている。
 そして、そのお金は別にしておき、チップ代は、
 俺が別れの時持っている、全ルピーにする。
 と決めていた。

 だから、俺ががココで使う金は、
 お前(ガイドさん)の金だ!
 と思っていたのですね。

 ちなみにこの時点で残り5000ルピー
 土産が2000ルピー、
 明日使うお金、運転手へのチップ含め1000ルピー、
 ガイドさんへのチップ2000ルピー+α
 と考えていたのですが……。

 これは、大きく狂うことになる。

 まあ、いい話を戻そう。
 で、一旦ホテルで休憩してから、
 集合と言うことで、別れることにする。

 17時半に別れ、18時半にホテルのフロントで
 集合という話に。

 部屋でくつろぎ、
 テレビを点けると、くれよんしんちゃん。


今日の宿も豪華。でも寂しい。
いつかは、新婚旅行とか行きたいものだな……。


 ああ、寂しい。
 日本に帰りたい。
 豪華な部屋が逆に、寂しい。
 静かだ。
 寂しい。
 寂しい
 寂しい。
 寂しい。
 でも、明日には日本に帰る……
 それはそれで……寂しい。

 と、無茶苦茶な事を考えていると、
 電話。
 なんだ?
 おい。

 時計を見る。
 約束の時間は過ぎてない。

 電話を取ると女性の声。
 誰だ?
 と思うと、
 どこかで聞いたことがある声。
 バナーラシの夜に電話をした旅行会社の人だった。

 何でしょう?

 と聞くと、
 今日の昼は本当は、
 マハラジャのホテルで食事をしなくてはいけないのに、
 うちのガイドが間違えて、普通のレストランにしてしまった。
 申し訳ないので、
 ディナーを予約したから、
 これから食べに行って欲しいとのこと。

 うーむ。
 体調は悪いが……、
 豪華ディナーは心惹かれる。

 というわけで、ディナーに行くことに。
 で、時間になったので、フロントに行くと
 ガイドさんがしょぼくれている。

 怒られたんだろうなあ。
 と思うが、まあ、俺には関係ない話。

 さて、行きましょうかと声をかけ、出発。

 すみません。
 と、ガイドさん。
 私は間違いました。と。
 いや、もう良いですと。私。
 いや、でも、私は間違いましたすみません。と、ガイドさん。
 でも、――。
 カチョーさん私を怒りました。
 時間がなかったから、私は仕方なしに、
 レストランに行きました。
 私は、お金も、チケットも貰ってませんでした。
 私は、悪くない。

 ……。
 ……。
 ……。
 あのー。
 それって、私に言ってどうなるんですか?
 言いたいことがあるなら、カチョーさんに言えばいいじゃないですか。
 私、体調悪いんで、……。
 と、俺。

 いや、でも、私は何が間違いだったんでしょう?
 お金も、チケットも貰ってませんでした。

 ……。
 ……。
 ……。
 ……。
 ……。
 ……。
 ……。
 ……。
 ……。
 うっさいんじゃボケエ!
 お前が、何貰ってようが、貰ってまいが知らんが、
 俺に関係あんのか?
 あ?
 お前がそう思うんなら、その、
 カチョーに言えよ直接。
 お前の会社の事なんてしらネーよ。
 お前は行くべき所に行かなかった。
 俺にとってはそれが全てだ。
 お前が、その、カチョーが悪いって言うなら、
 カチョーに電話繋げ。
 俺が文句言ってやるよ。
 ほら、あ? どうした?

 いやあ、切れたねー。
 ぶちぎれちゃったねー。
 インドで。
 夜中に。
 あそこで、ガイドさんに逆ギレされて、
 細切れにされて、
 ガンジス川に流されなくて良かったね。

 疲れてたんだよ。
 そのうえ、風邪ひいてたんだよ。

 黙るガイドさん。
 猛る俺。

 無言のまま、夜道を歩く。
 ココです。と紅茶屋に案内され、
 紅茶を飲む。
 美味い。

 大概気まずくなったので、
 美味いと褒める。
 ありがとうございますとガイドさん。
 ココはガイドさんが支払ったが、
 1杯10ルピーなのを、俺は見逃さない(笑)。

 で、土産物屋を求めて、
 夜道を歩く。
 土産物屋は遠いんですか?
 と聞くと、これから調べますとのこと。
 あの……
 体調悪いんですけど。
 と思うも、もう、怒る気力も無し。
 なにやら、携帯電話ショップで聞き込み、
 数歩歩くと、携帯に着信。
 見つかったらしく、土産物屋にダッシュ。

 チョコの詰め合わせが120ルピー(240円)と言われ、
 安い!と、即買い。
 その他にもめぼしいモノを買いあさり、
 1000ルピーかからずに、土産終了。
 まあ、後は空港にてカードで買えばいいや。

 で、お待ちかね。ホテルでディナー。
 ホテルは近いんですか?
 と聞くと、オートリクシャーを手配。
 流石に体調が悪いと言うことに気付いてくれた模様。
 ホテル到着。
 支払いは、まあ、俺だよな。
 っていうか、このお金は、
 ガイドさんの金でもあるんですがね(ククク……)。

 ホテルに入ると、
 そんな予約は受けていないとの答え。
 なんでも、
 行くべきホテルは、ラージパレスホテル。
 このホテルは、ラージマハルパレスホテル。
 微妙に違う。
 確認を取ると、やっぱり違ったらしい。
 で、先ほどまで俺たちを乗せていた運転手が来るからと、
 ホテルの入り口で待つことに。

 辛いなあ……。
 と思い、椅子に座っていると、
 そのホテルのガードマンが、
 座布団付きパイプ椅子を出してきた。
 今の椅子の方が良いんだけどなあと思うが、
 コッチに座れと言われ座ることに。
 と、その椅子にガイドさんが座る。

 ……なんだったんだろう。
 アレは。

 流石に体調がかなり厳しくなり、
 もう、ダメだと思ったとき、
 ガイドさんが、薬を差しだした。
 今まで、何回かガイドさんに薬はいかがですか?
 と言われたが、
 危ない薬なんじゃないかと、拒否していたが……
 こうなったら仕方ない。
 飲もう。
 と、薬を貰う。

 ガイドさんが、ガードマンに水を要求していたが、
 どうみても危ない水だったので、
 水を使わずに飲む。

 ガイドさんが、水を使わないで飲むと、
 薬が良く溶けないと言ってきたので、
 俺は大学で化学を専門にやってきた。
 そんな理屈はない。OKだ。
 と言う旨を伝える。
 まあ、大学で化学なんてやってないんですけどね。

 その後、インドトークにはなを咲かせていると、
 薬が効いて来たのか、
 大分、楽になる。

 と、(1時間くらい経って)車もやってくる。

 ガードマンにお礼を言い、
 いざ、ラージパレスへ。

 と、30分ほどで到着。
 意外と遠いのね。


飯を食うためダケの、豪華なホテル


 到着後も何か、悶着していたが、
 何とか食事にありつく。
 ビールを貰ったら、ビールは風邪に良くないと
 ガイドに言われるが、
 知るか、俺はビールが飲みたいんだ。とビールを飲む。
 と、給仕が、ブランデーのお湯割りだと体も温まって
 風邪なんて治るぜ。と言うので、ちょっと興味もあったし、
 ブランデーなんて普段飲まないけど、
 やってみることにする。

 あら不思議。
 スゴクからだが暖まる。

 ところで、料理ですが、
 まあ、普通でした(笑)。

 いや、そんなにスゴク美味いモノが出るわけで無し。
 あ。一つだけ、
 スープが出たのが嬉しかったなあ。
 このとき気付いたんですけど、
 インドって、スープ無いんですよね。
 喉も痛かったし。
 スープ好きだし。
 美味しかったなあ。

 でも、肝心の料理は、
 皿の上に、ちょっとずつ料理を盛っていくだけというモノ。
 それも、ガイドさんは、ベジ(肉食わない派)なのに、
 ガイドさんの皿にも肉を乗っけていって、
 ガイドさんは結構不快そうな顔をしていて。
 コレは酷いなと、ちょっと思いました。


こんな感じでちょっとずつ食事が盛られていく。
味は、まあ、普通(笑)。


 まあ、日本だったら1000円のバイキングレベルの味ですね。
 幾らだったのかは知らないですが。

 と、若干不快になりながらも、
 ビール代(何故かガイドさんの分も含む)2杯分と、
 ブランデー1杯分で、900ルピー(約1800円)というのに、
 ちょっと驚愕し、
 ホテルに戻り、
 ガイドさんからもう一錠貰った薬を飲み、
 暗い闇の中に
 落ちていくのでありました。

 次回、最終回、
 無事、日本に戻ってくることは出来るのか!?


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