復活日記
written by YOLY
生まれ変わって、虫になって。

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 2010 /11 /18
・最終話 7,8日目
 何か……鳴っている。
 重い頭を揺さぶりながら、
 鳴っている電話を取ると、
 モーニングコール。
 頼んでいないので、ガイドさんが勝手に頼んだのだろう。
 余計なことを(笑)。

 とはいえ、今日は、デリーに移動して(移動時間6時間とのこと)、
 デリー見学もしなくてはいけないので、
 急がないと。

 そして何より、
 今日は、インド最終日。

 着替えを済ませ朝食を取る。
 大分良くなったとはいえ、
 まだ喉が痛い。

 外人向けのホテルなのか、
 100%洋食のビュッフェ(とはいえ、牛・豚肉はない)
 だったので、ゆっくりと堪能。

 スパイスも今日が最後となるとちょっと恋しくなるなあ。

 朝食を済ませると、
 すでにガイドさん到着。

 車を待っている間、ホテルの新聞を読むと、
 オバマはん、インドにやってくる(意訳)の文字。
 そういえば、テレビ回すと、オバマばっかり映ってたなあ。
 と思う。

 車に乗り込み、

 ガイドブックに載っているラッシー屋に行きたいと、
 我儘を言ってみると、
 通り道なのでOKとのこと。
 ガイドブックを見せると、ガイドブック欲しいなあ。
 日本では使わないですよね。みたいなことを言われる。
 が、とりあえず無視してラッシー屋へ。
 最後なので、運転手さんにも奢ってあげよう。
 と思っていたのだが、
 こちらが何も言わずに、意図を組んでくれて、
 しっかり、大3つ頼まれる。
 まあ、この金は君の金だから良いけどね。
 と思うことで、精神の安定を図る。
 一杯飲んだらスゴク美味かったので、
 もう一杯飲むことにする。
 この一杯は車で飲もうかと思ったら、
 そのカップ(カップは素焼きのコップで、
 飲んだら、ゴミ箱に捨てるタイプ)を
 捨てるところがないから、ダメと言われる。
 えー。昨日のバナナの皮みたいに、
 道ばたに捨てるのはNGなのか?
 っていうか、ゴミ箱くらいどこかにあるだろう?
 と思うのだが、そう言うモノらしい。
 倫理観が解らず、
 急いで飲み干す。お腹たぽんたぽん。

 で、風の宮殿へ。
 ここは、中が綺麗だというが、
 外観を写真に収めてスルー。
 まあ、ガイドブックを見たら、
 まだオープンする時間じゃなかったし、
 日程表にも、<見学>ではなく、
 <下車>と書いてあったので、
 そんなものか……と、思うことにする。


風の宮殿。中は綺麗らしいので見たかった。



前日の夜に撮った風の宮殿。綺麗。


 で、昨日も来たアンベール城に移動。
 ゾウさんに乗るために行列。

 立ってるの辛いなあ。
 でも、ゾウさんはもっと好きです。の精神でがんばる。

 立っていると、
 ターバンを売りつけてくる男有り。
 会社の人におみやげで、
 ターバン買って行ってやるかと思って、
 話を聞くと、2000ルピー(約4000円)とのこと。

 どうですか?
 と、ニコニコ顔のガイドさん。
 いやあ、払っても良いけど、
 お前のチップ無くなるぞ(笑)と思いつつ、
 今の現金チェック。

 5000ルピーから、
 おみやげ600ルピー
 食事で900ルピー
 ラッシー代100ルピー
 なので、3400ルピー(約6800円)ですね。
 2000ルピーはガイドさんに渡して、
 200ルピーは運転手に渡す予定なので、
 使えるのは1200ルピーな訳です。

 で、ニヤニヤしていたら、
 どんどん値段が下がって、
 最終的には400ルピーになったので、
 まあ、それなら良いかと購入。
 でも、もっと安くできたと思う(笑)。
 というわけで、残り800ルピー。

 ゾウの乗り場には、
 チップは渡さないでください(英語)の文字。

 ガイドさんによると、20〜30ルピー払ってくださいとのこと。
 どっちなんだ(汗)。
 というわけで、ゾウの上で、
 チップを要求されたので、30ルピー渡そうとしたら、
 100ルピー要求される。
 もう無茶苦茶だな、この国。
 後ろに、No Tipsって書いてあるしな(笑)。

 100ルピー渡し、残り700ルピー。
 つっても、この先買うもの無いんだけどな。


ゾウ。足下はウンコだらけ。


 車に乗り込むと、デリーまで6時間と言われる。
 やっぱり、無茶だよなあ。
 このツアー。

 喉が痛いので、アメが欲しいと言うと、
 まだ、朝早いから、アメ屋は開いていないと言う。
 車はどんどん郊外へ。

 1時間ほどガマンし、どんなアメでも良いので、
 ああいう、水とかお菓子を売っている店では、
 アメは売っていないのか?
 と聞くも、はっきりしない返事。

 無理矢理止まらせて、
 店員に聞いてもらうと、アメはないとの答え。
 と、目の前のボトルにアメっぽいモノがつまっているのに気付く。
 これは、アメじゃないのか?とガイドに聞くと、
 このアメは喉に良くないとの答え。
 そんなのどっちでも良いから、アメをくれ!
 と、10個飴を購入。10個で10ルピー(20円)。
 安すぎる……。

 包装とか安っぽかったけど、
 それでも、1個2円は凄いよなあ。

 アメ要る?と聞いたら、ガイドも、運転手も拒否。
 よほどヤバイアメなのか……何かあるのか?
 と思いながらもアメを舐め、ご機嫌。

 と、そこに、ガイドさんがビールを買ってくれる。
 めずらしく、奢りだ。
 最後だから、飲みましょうとのこと。
 くう。泣かせるじゃネエか。
 おつまみに食べたピーナッツが美味しかったので、
 値段を聞くと5ルピー(約10円)。
 コレをおみやげに買いたいと伝えるとOKとのこと。

 ビール瓶は、相変わらず路上に捨てる。
 大丈夫かあ……と思ったり、
 やっぱり、ラッシーの容器は
 道ばたに捨てても良かったんじゃないか? と思ったり。

 3時間ほど車を走らせ、
 昼食。
 最後のスパイシーご飯。
 最後かと思うと、ちょっと哀しくなる。

 体調の所為もあり、半分ほど残す。


最後の晩餐
インド飯


 旅行当初、
 ガイドさんに、アンケートを渡されていたので、
 ガイドさんのことを褒めまくって、渡す。
 が、ガイドさん目の前で読むモノだから、
 悪く書いて無くて良かったなあと思う(笑)。

 飯屋に、ホールズが売っていたので、
 購入。コレは、高いですよねとガイドさん。
 確かに、8個で60ルピー(約120円)。
 一個15円と、さっきのアメの15倍する値段だ。

 そこから、2時間ほど車を走らせ、
 遂にデリーに到着。


さて問題です。
高速道路の路側には、この様なコの字型のコンクリが置いてあります。
工事の途中なのかも知れませんが、
インドの人はコレをある事に利用しています。
なんでしょう?


 やっぱり、デリーには牛が少ないなあとか思いつつ、
 クトゥプ・ミナールへ。


それでは正解です。答えは、トイレでした。
あのコの字の内側には、黒い塊がよく見られます。
……凄いよな、インド。
※写真は、トイレとは全く関係ありません。



壊れてるのか壊してるのか解らない建物。
そりゃ、まあ、崩れるよな。


 そして、遂に最後の観光地。
 フマユーン廟へ。

 タージマハルを作った王は、
 このフマユーン廟をモデルにして、
 タージマハルへ移動したという。


タージマハルのモデルになったらしい。
確かに綺麗。イスラム教の六芒星が映える。


 さっきのアンケートに、電車の遅れなどの所為で
 駆け足での観光だったのが残念だった。
 と書いたからなのか。
 最後の観光地だからなのか、
 ガイドさんが、ゆっくりと観光しましょうと言い出す。

 すぐそこに出口があるのに、
 ちょっと遠回りして、外に出る。


もうすぐ終わる。
子供たちに手を振られ、もうすぐ、終わる。


 終わっちゃいましたね。と、私。
 終わっちゃいましたね。と、ガイドさん。

 夕暮れが迫っている。

 今日が、終わる。

 インドが、終わる。

 ガイドさんと二度と会うことはないだろう。
 それは、死んだのと同じだ。
 運転手さんとも、
 そして、窓の外で、女の子だというのにヒゲを書いて、
 面白い顔をして、芸をして、お金を貰おうとする少女も、
 俺から3000ルピーせしめたあの子も。
 あのマッサージのおじさんも。
 二度と、会うことはないだろう。

 楽しかったか?
 楽しかったさ。

 哀しいのか?
 多分。


夕暮れ。


 夕陽を眺めていると、
 ガイドさんが、これ、私の連絡先です。
 メール下さい。と、
 メールアドレスを渡してきた。

 なんだよ。
 こんなの貰ったら。
 泣いちゃうじゃないかよ。

 汗をぬぐう振りをして、
 涙をぬぐう。


 寂しいな。


 ありがとう。
 ガイドさん。

 俺はそう思うと、インドを旅立った……

 ……とまあ、こうなると良いなあという、事を思っていたのですが、
 その10分後、そこにはガイドさんと言い争いをするYOLYの姿が。

 俺が欲しいって言ったのは、このお菓子なんだから、
 この菓子を買ってくれ。
 いや、この菓子は、中身は同じだ。
 だとしても、こっちの5袋は違う菓子じゃないか。
 それに、同じとは思えない。
 そう言うことだ?
 とりあえず、開けて食ってみろ。
 ああ、食ってやる。……同じじゃないか。ごめんなさい。

 軽い口げんかをした後、
 俺の謝りで口げんかが終わるという、
 なんか、インドっぽいなあ(そうか?)
 と思いながら、空港に到着。

 写真を撮ろうとして、今度は、ガイドさんに怒られる。
 初日のことが懐かしい。


インド、最後の一枚


 運転手さんにチップとして200渡すと、
 ちょっと不服そうな顔をされる。
 あれ? 多めに渡したはずなのに?
 ガイドさんが何か言うと、納得した様子で消え去る。

 なんだよ。
 チップって、どれくらいがいいんだよ。
 最初から書いてくれよ。

 ガイドさんとの別れ。
 今まで楽しかった。
 ココでお別れですね。
 と言うと、ガイドさんが言いよどむ。
 なんだ?
 感動しているのか?
 と思うと、チップが欲しいらしい。
 勿論やるよ。
 そのためにお金は取っておいたんだ。
 と、持ち金全て(2500ルピーくらい)を渡す。

 こんなに貰えないです。
 と言うが、まあ、本当に最初に貰った紙書いてあった額より、
 ちょっと多いくらいだったし、
 そんな少額を再両替するのも面倒くさいし、
 全部やる。と無理を言って渡す。
 でも……空港で使うお金が無くなるんじゃ……
 と言って、少し返してきた。
 幾ら返してきたのか?
 とちょっとみると、25ルピー。
 スクネーよ。
 そんなんじゃ、空港じゃ何も買えないよ。
 空港では、日本円が使えるかも知れないし、
 ダメならカードで買うから、いいよいいよ。と言って、渡す。

 で、これ、プレゼント。
 と、持っていたガイドブックをあげる。
 ガイドブックは2つもっていて、
 まあ、微妙に使えない方だし、
 でも、喜んでくれるだろうと、渡す。

 パラパラめくり、どうやら喜んで貰えたようだ。
 空港内にはガイドさんは入れないからと、
 チケットを無事交換できたら、
 外に見せてください。と言われる。

 OK。了解した。
 今まで、本当にありがとう。

 すがすがしい気分で、私は空港に入る……

 ……あのー。

 ガイドさんが何か言う。
 どうしました?
 あのー。日本に戻っても、
 そっちのガイドブックは使わないと思うんですよ。
 貰えませんか……。

 くくくく。ははははは。
 インドらしいや。
 笑い出しそうなのをこらえながら、
 いやあ、これは、友人のガイドブック何ですよ。
 と言い、流石に渡さずに空港に入る。

 チケットを交換し、ガイドと、本当に最後の別れ。

 飛行機出発まで3時間どうしようかなあ。
 とりあえずチェックインして、考えるか。
 とチェックイン。

 当然日本円は使えないから、
 カードでちょっとしたおみやげなどを購入。
 ビールを買おうと思ったのだが、
 ビールは何処にも売っていない。何故!?
 ワインやヘネシーは売っているが、
 インドじゃなくても買えるし……。
 小腹が減ったので、
 マクドナルドでカードが使えないか聞くと、NG。
 まあ、当然か。
 でも、空港ならつかえていいんじゃねーの?
 と思って、ふらついているとビール発見。
 290ルピーの表記。
 裏を見る。50ルピーの表記。
 たけー。
 空港だからって、6倍かよ。
 と思いつつ、その店はカードOKだったので、
 カードでビールとパイを食う。
 こんなことならドル持ってくるんだったな。

 飛行機の乗車時間に近くなったので
 飛行機乗り場に行くと、45分遅れとの表記。
 ……インドらしいや(笑)。
 まあ、3時間遅れることはないだろう。

 と、先日一緒になった大学生2人組(男)と出合う。
 彼らも同じ飛行機とのこと。

 色々話を聞くと、色々解った。

 昨日の夜も一昨日の夜も、ショーなんて見に行ってないと言うこと。
 やっぱり、ウチのガイドさんは、そっちの女子3人組とは話してないと言うこと。
 向こうのガイドさんは、むしろ奢ってくれたと言うこと。
 向こうのガイドさんはチップをなかなか受け取らなかったと言うこと。
 # ここら辺の違いは、
 # 多分、向こうのガイドさんはちゃんとしたお金を貰っているガイドさんで、
 # こちらのガイドさんは、学生がボランティアで遣っているガイドというのもあると思う。
 初日、フマユーン廟に行こうとしたら、オバマが来ているので、
 入れないと言われ、今日は時間がないから入れないと言われた。
 入れた俺が羨ましいと言うこと。
 個人ガイドじゃないから、おみやげ屋には寄って貰えなかったと言うこと。
 風の宮殿はどちらにせよ入れなかったと言うこと。

 まあ、どちらもどちらだな。
 と思い、やっと到着した飛行機に乗り込み、
 日本に帰る。

 ところで、寝ているときに、
 異常な吐き気に襲われて、
 スゴク苦しくなったんだが……まあ、無事に日本に到着。

 日本に帰ったら日本食が楽しみ。
 と思っていたにもかかわらず、
 何となく、頼んだ料理が、
 カツカレーで、
 何でインドから帰ってきてカレー食ってるんだ。
 と面白くなる。

 ちなみに、ガイドさんには、即座にメールしたが、
 一週間経った今現在、
 返事は帰ってこないという……。

 ……だったら渡すなーーーー。
 くくくく。はははは。
 まあ、それも、
 インドっぽいなあと、思うのでした。

 おわり。



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