復活日記
written by YOLY
生まれ変わって、虫になって。

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 2011 /3 /16
・夜歩く
 停電の町を歩く。
 夕暮れ。

 いつも開いている店が開いていない。
 不思議な気分。

 コンビニは電気もつかないのに、営業中。
 レジにも電気は来ていないので、
 精算が大変そう。

 信号にも明かりは灯っていない。

 警官もいない。

 危険じゃないのか。
 車も恐る恐る通行。

 信号が灯っていないからと、
 走って横断歩道を渡る人がいるが、
 むしろ、ゆっくりと横断歩道を渡るほうがよい。
 なぜなら、車が気づいて停まってくれるから。

 カンボジア・ベトナムに旅行に行ったときに教わった。
 向こうには信号がほとんど無いので、
 車道を普通に渡らなければならないのだ。
 そこで、走って渡る旅行者が多いが、
 急に出てしまうと、停まったり、よけたりできないので、
 ゆっくりと渡れというものだった。

 確かにそのとおりなのである。

 国道に出るも、
 国道にも警官がいない。

 これは危ないなあ。
 と思うが、
 なんだか、うまくやっている様子。

 駅前の大きい交差点は、
 流石に警官が配備されていた。

 が、まだ夕刻だからいいものの、
 もっと暗くなると、
 あの人たちも危険だろうなあ。と、人事ながら思う。
 いや、人事ではないのか。

 駅前の店は軒並み閉店。

 この、計画停電、いつまで続くか解らないが、
 関東郊外の店舗には多大な被害だろうと思う。

 私が会員になっているジムも、
 夜間の営業は停止。停電が起きる時間帯は営業中止。としている。
 そして、迷惑をかけるからと、会員による時間帯の差別は無いとのこと。

 多くお金を払っている自分としては、
 釈然としない気分もある。
 しかも、夜間の営業が無いとすれば、
 会員である必要が無い。
 とすれば、いつまでも続くようなら、解約、となる。

 という人が多いのではないだろうか。

 だとすれば。

 東京に向かって歩く。
 東京に最も近い信号には電気。

 グループが違うのかな。
 と思うも、自動販売機は停電。
 例外か、あるいは、東京から電気をもらっているのか。

 ただでさえ交通量の多いところなので、
 それはまあ、助かるよな。

 と思いつつ、東京入り。

 ガソリンスタンドの前に、車が3台。
 ああ、やっぱり混んでいるのだな。
 しかし、ガソリンなんて、そんなに使わないだろうに。
 逃げる気ならば仕方ないが、
 それでも、10L入っていれば、十分な距離移動できるだろう。
 それだけ移動できれば、普通にガソリンが売っていると聞く。

 あさましい。
 おろかだ。
 だが、この不安の中、仕方ないのかもしれないな。

 そんなことを思いつつ、ガソリンスタンドを見ていると、
 3台目の車が、ガソリンスタンドの店員となにやらもめている。
 店員は、車の後方をを指し、何か言っている。

 ほかのガソリンスタンドでも紹介しているのだろうか?

 違った。
 3台しか車が並んでいないと思っていたのは、
 交差点まで、車が3台しか入らなかったからだった。

 交差点の先、車の列。
 次の交差点の、
 次の交差点の、
 次の交差点の。

 大渋滞だ。
 1キロほど移動して、やっと車の終わりが見えた。

 ここまでして。か。

 車の列の中には、個人タクシーや、トラックの姿もあった。

 車が職業の人は大変だな。
 せめて、個人タクシーでなければ会社で給油できるだろうに。

 駅に着く。
 隣の駅だというのに明かりは煌々と灯る。
 都民と県民でどれだけの差があるというのだ。

 スーパーに入ると、軒並み商品が無かった。
 インスタント食品や水が売れている模様。
 普通の食料品やお茶などは普通に売っていた。

 しかし、
 そんなにインスタント食品を買いあさってどうするというのだ。
 やはり、おろかだ、と思う。

 まあ、ただ、原発がどうなるかも解らないしなあ。
 こちらまで外出禁止令が出たら、
 食料を買いだめしている人の勝ちだよな。

 とか思いながら、
 母親に飲み物買ってきてくれといわれていたので、
 お茶と、ジュースと、あと、ビールを買って家に帰る。

 あたりは真っ暗になっていたが、
 地元の停電はすでに終わり、
 夕刻のときよりも明るく感じられた。


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