静謐日記
written by blue
 フカク、モグル。ヤミヘ、カエル。
 blueのニッキ。

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 2006 /12 /28

いよいよベスト3
第3位 ユージニア(恩田陸)

よく分からないけど何だか凄いなと思わせてくれる小説。
そういう意味では,村上春樹を読んだときの感覚に近いものを感じました。
ある名家で起こった大量毒殺事件。
その唯一の生き残りの少女。
時は移り,その事件を調べる女。
怖いような,息苦しいような,不思議な粘度を持った描写が印象に残りました。
もうどういう話だったかを詳しく憶えてないけど,
読んでいるときの印象が今でも強く残っているので,第3位にランクイン。



第2位 TUGUMI(吉本ばなな)

とても短い小説。
重い病にかかっている少女つぐみ。
その従姉妹の視点で語られる物語。
病気のために甘やかされたせいか,王女様のようにわがままを言うつぐみ。
そんな従姉妹にいらだちを憶えたり同情したり,可愛く思えたり。
つぐみのわがままを言う意地悪な面と,
ときどき不器用な優しさを見せたり,恋をしたりする面と,
若さ故の揺れのようなものを楽しく読みました。
吉本ばななは間違いなく日本文学史に残る天才ですね。



第1位 ライオンハート(恩田陸)

栄えある本年度の第1位。
去年は…『孤宿の人』(宮部みゆき)か。
こういったデータが2001年から残っています。
その年に読んだ本と順位が付けられています(順位は上位のみ)。
推理小説に関しては今まで読んだものを全てExcelで管理しています。
これって書きましたっけ?
ちなみに,今現在で407冊です。
最近はあまり読んでいませんね。
こういったデータは自分にとっては貴重な財産です。

さて,『ライオンハート』は今年ではぶっちぎりで1位です。
恩田陸自体が今年はじめて読んだ作家ですが,完全にはまりました。
以前にも書いたと思いますが,YOLY君を含めた中・高時代の友達と
上野駅で待ち合わせたとき,早く着きすぎたので本屋で買って読んだのが出会いです。
特に読みたい本がなくて,散々迷って決めました。
たしか,帯に本年度ナンバーワンとか書いてあったっけ。
なんのジャンルでナンバーワンだか忘れたけど。
文庫だったかな…?

時代を超えて何度も出会う男と女。
二人の間にあったのはなんだったんでしょうか?
愛ですか?
時代を超えてのループの起源はなんだったのか?
小説中で示される解答はちょっと分かりにくい。
でも,明確な答えがあった方が良かったのかというと分からない。
理解することで楽しむ作品ではないと思う。
絵画を鑑賞するような気持ちで読むのがよいと思う。
実際,本の中に綺麗にカラーで印刷された絵画が登場します。
来年もこういう素晴らしい本・作家に出会えますように。


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