RSS
|
|
|
|
2002
/4
/26
|
・ミニモニ。
|
※以下の文は、フィクションであり、特定の団体、個人名にちょっとかかわりがあるかもなーと思っても、気にしないでください。
ビョオオオオオオウウウウウウウウウ・・・。冷たい風が流れた。薄暗い地下のコンクリート部屋。ここが数日前まで某有名デパートの地下街だったと誰が信じられようか。とりあえず、と、逃げ込んだのがここだった。やつ・・いや、彼女らから逃げ出すために。 「ザ・・ザザ・・」 不意に右手のラジオが鳴る。逃げるときに持ち出したそれだ。 「ザ・・キュウイイイ・・。ザ・・き・・聞こえるか・・ザザ・・人類は・・ザザ・・皆・・ザザ・・コロ・・」 彼女らの声だ。放送は雑音交じりで続く。東京が壊滅した事、ほとんど生き残りはいないと言う事。そんなような事を彼女らは語り続けた。「退屈なので、狩りを始める。いま、××デパートの地下に入って言ったやつ・・。そう、お前だ・・。」××デパート!!今自分がいるデパートだと、そしてそれは自分の事を示しているのだと確信し、背中に汗が流れる。と、とりあえず、逃げないと。 必死で駆けていた。有名洋菓子店の冷蔵倉庫。とはいえ、今は電気なんか流れるわけがないので、冷蔵の役割は果たしていない倉庫に駆け込んだ。頑丈な鉄の扉。内側からは鍵はかけられないようになっていたが、取っ手の部分に鉄の棒をねじ込み開かない様に細工する。ここならいくらやつらでも、・・と、一息つくことにした。 数分たっただろうか。不意にポケットの携帯が鳴り響く。表示は、非通知。恐る恐る電話に出てみると、受話器の向こうからは彼女たちの声が聞こえる。「・・テレホンだリンリンリン♪・・・見つけたあ〜♪」ガン!ガン!と言う音が鳴り響き、扉ではないほうの鉄の壁が破壊された。 「カゴ(のなかの小鳥)ちゃんデス!」「辻斬りDEATH!!」 破壊された壁の向こうにはお団子ヘアーの小さな少女・・の様に見えるそれが、ショットガンと、日本刀をもって立っていた。自分は、扉の方にかけだし、先ほど開かない様にするために突っ込んだ鉄の棒を引っこ抜くと、思い切り走った。足が一瞬熱いと思ったが、気にせず走り続けた。あの鉄の扉ですらだめな怪物を、・・俺はどうやって逃げればいい・・。そんな事を考えていると、不意に自分の身体が宙にうき、鼻をしたたかに床に打ちつけた。ガハア!?何が起きたのか一瞬理解できなかったが、右足を見てすべてが理解できた。右足が半分えぐれていたのだ。おそらくショットで打たれたのだろう。そんな足で走ろうとしたらそりゃア転ぶ。万事休す。もう逃げられない。・・どうする・・・。 うずくまる私の前に現れたのは、さっきとは別の二人組みの女の子だった。片方は金髪で、もう一方は、アメリカ国旗のバンダナをしている、ハーフのような女の子。金髪の手には、ビームライフルが握られている・・。 「セクシーービーーム!!」 金髪が叫ぶ。 「No!Sexy Beam!!」 発音が気に食わなかったらしく、バンダナが、再度叫ぶ。ビームライフルの銃口は明らかに俺の方を向いている。金髪がスイッチを押す。・・・今だ!! ビームライフルから照射されるビームめがけ、消火器を投げつける。思惑通り、消火器はすごい音を立てて破裂した。・・逃げるんじゃない・・戦うんだ!!真っ白な煙の中、這うようにしてパン屋に入る。 「ゴホ・・ゴホ・・真っ白・・」 「いやだーバカ殿みたい・・」 「アイーン」 「アイーン」 こういう会話を聞いていると只の少女のようだが油断してはならない。先ほどのマシンガンと日本刀の少女も合流したらしい。このパン屋が、最後の決戦の地になるだろう・・この作戦が失敗したら、それは俺の死を意味する。奥の部屋に逃げ込み、ドア越しに彼女らをこっそり見ると、金髪は顔面に消火器の破片が当たっており、脳が半分むき出しになっていた。 「おいしい牛乳・・飲むのだぴょん」 どうやら言語中枢がやられてしまっているらしく、まともに言葉がしゃべれなくなってる。ゆっくりと4人はこっちの部屋に近づいてくる。後少し・・。 「なにコレ?又真っ白!」 「コレ何?」 「ヤンバルクイナって何なんだ!?」 「小麦粉!?」 部屋の中に散布したのは小麦粉。部屋に小麦粉を散布し、充満させ、火をつけると・・。
ドウン!!
激しい音と共に、爆発が起きた。粉塵爆弾と言うやつだ。伏せていたおかげで、背中にやけどをおっただけですんだ。彼女たちは見るも無残に木っ端微塵になって吹っ飛んだ。彼女たちの足を残して。あるマッドサイエンティストが作り上げた、自分の若き日のアイドルそっくりの世界を破滅に導くためのミュータント。しかし、その彼女らももういない・・。おれは、勝ったのだ。・・勝ったのだ・・。男はその場に倒れ、しばしの眠りについた。
しかし、彼は本当の意味での勝利をつかんではいなかった。その後、彼女らの足は、ハムスターに食べられ、そのハムスターが又ミュータントとなったのだ・・。
|
|
|