復活日記
written by YOLY
生まれ変わって、虫になって。

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 2002 /6 /7
・第二話
・・・やっぱ続くんだ・・。
「ウーーノ・・ドゥーエ・・トレ・・・・」

 純白のスーツを身にまとった中世的な顔をした・・・。ちょっと見では男なのか女なのか分からないような、それは、渋谷駅ハチ公前で数を数えていた。

「・・ノーヴェ・・ディエーチ・・」

 金髪に透き通るような青い目のそれは、数を数え終えると両腕を開いて目をつぶり、背中をクククと丸めた。あたかも、空を飛ぶかのように手をばたばたと動かすと、見えない光に吸い込まれるようにしてそれは、空気に溶け、消えた。

 それは、天使だった。

「というようなのが、天使だろう」

 と、彼は言った。

「まあ、そういった変なイメージを・・っていうか。何で渋谷ハチ公前で、イタリア語で数を数えなあかんのですか?」

「しかしだ、黒い髪、黒い瞳、平凡な顔、性別男、お笑い好き、中途半端な関西弁、おまけに羽が無い天使なんて誰が信じる。」

「信じようが、信じまいが、僕は天使なんですって。まだ太陽が出来る前、大魔王キルヒホッフと戦ったとき、翼を失ってそれ以降ずっとここでくらさにゃあかんのでしたわ・・って何度言わせるんですか。」

「大魔王キルヒホッフねえ・・。で、結局君は僕に何を売りつけたいわけ。宗教の勧誘でしょ。」

 又、信じてもらえなかった。コレで37人目。あまりに人間の抱いている天使と言うもののイメージが凡庸すぎるために、苦労している。

・・・つづく


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