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2002
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/7
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・第二話
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・・・やっぱ続くんだ・・。 「ウーーノ・・ドゥーエ・・トレ・・・・」
純白のスーツを身にまとった中世的な顔をした・・・。ちょっと見では男なのか女なのか分からないような、それは、渋谷駅ハチ公前で数を数えていた。
「・・ノーヴェ・・ディエーチ・・」
金髪に透き通るような青い目のそれは、数を数え終えると両腕を開いて目をつぶり、背中をクククと丸めた。あたかも、空を飛ぶかのように手をばたばたと動かすと、見えない光に吸い込まれるようにしてそれは、空気に溶け、消えた。
それは、天使だった。
「というようなのが、天使だろう」
と、彼は言った。
「まあ、そういった変なイメージを・・っていうか。何で渋谷ハチ公前で、イタリア語で数を数えなあかんのですか?」
「しかしだ、黒い髪、黒い瞳、平凡な顔、性別男、お笑い好き、中途半端な関西弁、おまけに羽が無い天使なんて誰が信じる。」
「信じようが、信じまいが、僕は天使なんですって。まだ太陽が出来る前、大魔王キルヒホッフと戦ったとき、翼を失ってそれ以降ずっとここでくらさにゃあかんのでしたわ・・って何度言わせるんですか。」
「大魔王キルヒホッフねえ・・。で、結局君は僕に何を売りつけたいわけ。宗教の勧誘でしょ。」
又、信じてもらえなかった。コレで37人目。あまりに人間の抱いている天使と言うもののイメージが凡庸すぎるために、苦労している。
・・・つづく
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