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2006
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/24
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・そして、彼はいなくなった
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大学に行くのが厭で段々大学に行かなくなっていくYOLY。 留年も決定しちゃったし、あー。もー。どーすっかなあ。 ノストラダムス堕ちて来ないかなー。と思っていた1999年の春。 一本の電話がかかってきた。
「映画作ってみない?」
聞くと、今年から彼は映画部の部長になったそうだ。 彼は映画部をずっと続けていたんですね。 で、新入生が4月に入ってくるから新歓の意味をこめて、 映画を一本撮りたい。 んが。 シナリオを書ける奴がいないから書いてみないかと。
つっても、俺だってシナリオなんて書いたことねえんだけど。 いやいや、君ホームページに小説書いているじゃない。 それなりに面白かったから、書いてくれないかと。
丁度その頃、何本か小説を載せていたのだが、 高校時代の友人に「これは、きみ、ただのオナニー小説だね」 と言われ、若かった僕はコンチクショウ。と思っていた頃だった。 だから、逆に褒められたのがものっそい嬉しかったのだ。 ちなみに、その後、その言葉に無性に腹がたち、小説は削除。 こうなったら起承転結もない本当の自慰行為をみせつけてやる。 と書いたのが、後味の良くない短編。
今思うと消した奴はそこまで悪い(オナニー)小説じゃなかったんじゃないかなあ。 ちゃんと起承転結もあったし。 とも思ってるんですが。 まあ、自分大好きだからなあ。俺。
閑話休題。
ううむ。じゃあ、書いてみようかなと。 OK。わかった書いてみるよ。 じゃあ、監督も頼むね。 え?あ。ちょっと待て。
電話は切れていた。
と言うようなやり取りがあって、映画を作ることとなった。 つってもなあ。どんな映画撮るよ。
一度、大学の映画部が集まる映画祭に行ったことがあるのだが、 どれも、ゲージュツを前面に押し出している、前衛的な、 オナニー的な映画だった。 いや、若いのだからそれも良かろう。 しかし、定石も知らない俺がいきなり前衛を作っても、 それはただの駄作になってしまうに違いない。 だとしたら、きちんと起承転結のあるものを作るべきだろう。
と、数日考える。 数日後、再度電話。 登場人物は新入生全員で7人。 今、古畑任三郎やってるじゃん。ああいうのがいい。 で、締め切り明日だから。
ちょ。 おい。
電話は切れていた。
と言うようなやり取りがあって、 まあ、僕も古畑好きだし。 推理小説用のアイディアもあるし、一丁書いてやるかと。
で、7人登場するからには7人ともに役割が必要だろう。 いろいろ思い悩んだ結果、 登場人物をA,B,C,D,E,F,Gとすると、 Aが殺される。 手元にはダイイングメッセージ。 ダイイングメッセージはBが犯人だと示している。 と、Cが指摘。 だが、DがBは犯人ではありえ無いことを示唆。 E,F,Gが共同してAを殺していることを看破。 じゃあ、何故AはBが犯人だと言うダイイングメッセージを残したのか。 それは、AがBを社会的に抹殺するために、 E,F,Gに頼んで殺してもらい、ダイイングメッセージをわざと残した。
と言う、数行でまとめるには複雑すぎるストーリー。 いや、数行でまとめなくても複雑なんですが。
被害者が犯人で、ダイイングメッセージが嘘だったら面白いよなあ。 というのは、静謐日記のblue君に当時借りていた、 6枚のとんかつという、推理小説のパロディである短編推理小説集。 を読んでいて思いついたアイディアで、 この小説、むやみやたらにダイイングメッセージを信じてて。 そこまでダイイングメッセージって信じられるものなのか? という、ところから思いついたアイディアで、 こんなこと、誰にも思いつくまい!!
と、思っていたら、その次の週の古畑で、似たようなトリックが使われていてがっかり。
とりあえず、次の日、そのシナリオを彼に見せると、 まあ、面白いのではないかと言ってもらえて一安心。 じゃあ、来月館山で撮影だから。監督。
え?ちょ。
彼は何処かへと消えていった。
続け!
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