復活日記
written by YOLY
生まれ変わって、虫になって。

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 2006 /9 /24
・そして、彼はいなくなった
 大学に行くのが厭で段々大学に行かなくなっていくYOLY。
 留年も決定しちゃったし、あー。もー。どーすっかなあ。
 ノストラダムス堕ちて来ないかなー。と思っていた1999年の春。
 一本の電話がかかってきた。

「映画作ってみない?」

 聞くと、今年から彼は映画部の部長になったそうだ。
 彼は映画部をずっと続けていたんですね。
 で、新入生が4月に入ってくるから新歓の意味をこめて、
 映画を一本撮りたい。
 んが。
 シナリオを書ける奴がいないから書いてみないかと。

 つっても、俺だってシナリオなんて書いたことねえんだけど。
 いやいや、君ホームページに小説書いているじゃない。
 それなりに面白かったから、書いてくれないかと。

 丁度その頃、何本か小説を載せていたのだが、
 高校時代の友人に「これは、きみ、ただのオナニー小説だね」
 と言われ、若かった僕はコンチクショウ。と思っていた頃だった。
 だから、逆に褒められたのがものっそい嬉しかったのだ。
 ちなみに、その後、その言葉に無性に腹がたち、小説は削除。
 こうなったら起承転結もない本当の自慰行為をみせつけてやる。
 と書いたのが、後味の良くない短編

 今思うと消した奴はそこまで悪い(オナニー)小説じゃなかったんじゃないかなあ。
 ちゃんと起承転結もあったし。
 とも思ってるんですが。
 まあ、自分大好きだからなあ。俺。

 閑話休題。

 ううむ。じゃあ、書いてみようかなと。
 OK。わかった書いてみるよ。
 じゃあ、監督も頼むね。
 え?あ。ちょっと待て。

 電話は切れていた。

 と言うようなやり取りがあって、映画を作ることとなった。
 つってもなあ。どんな映画撮るよ。

 一度、大学の映画部が集まる映画祭に行ったことがあるのだが、
 どれも、ゲージュツを前面に押し出している、前衛的な、
 オナニー的な映画だった。
 いや、若いのだからそれも良かろう。
 しかし、定石も知らない俺がいきなり前衛を作っても、
 それはただの駄作になってしまうに違いない。
 だとしたら、きちんと起承転結のあるものを作るべきだろう。

 と、数日考える。
 数日後、再度電話。
 登場人物は新入生全員で7人。
 今、古畑任三郎やってるじゃん。ああいうのがいい。
 で、締め切り明日だから

 ちょ。
 おい。

 電話は切れていた。

 と言うようなやり取りがあって、
 まあ、僕も古畑好きだし。
 推理小説用のアイディアもあるし、一丁書いてやるかと。

 で、7人登場するからには7人ともに役割が必要だろう。
 いろいろ思い悩んだ結果、
 登場人物をA,B,C,D,E,F,Gとすると、
 Aが殺される。
 手元にはダイイングメッセージ。
 ダイイングメッセージはBが犯人だと示している。
 と、Cが指摘。
 だが、DがBは犯人ではありえ無いことを示唆。
 E,F,Gが共同してAを殺していることを看破。
 じゃあ、何故AはBが犯人だと言うダイイングメッセージを残したのか。
 それは、AがBを社会的に抹殺するために、
 E,F,Gに頼んで殺してもらい、ダイイングメッセージをわざと残した。

 と言う、数行でまとめるには複雑すぎるストーリー。
 いや、数行でまとめなくても複雑なんですが。

 被害者が犯人で、ダイイングメッセージが嘘だったら面白いよなあ。
 というのは、静謐日記のblue君に当時借りていた、
 6枚のとんかつという、推理小説のパロディである短編推理小説集。
 を読んでいて思いついたアイディアで、
 この小説、むやみやたらにダイイングメッセージを信じてて。
 そこまでダイイングメッセージって信じられるものなのか?
 という、ところから思いついたアイディアで、
 こんなこと、誰にも思いつくまい!!

 と、思っていたら、その次の週の古畑で、似たようなトリックが使われていてがっかり。

 とりあえず、次の日、そのシナリオを彼に見せると、
 まあ、面白いのではないかと言ってもらえて一安心。
 じゃあ、来月館山で撮影だから。監督。

 え?ちょ。

 彼は何処かへと消えていった。

 続け!



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