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2006
/9
/24
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・カンケツ
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遂に完結です。 もっと簡潔に終わる予定だったのになあ。 間欠泉のように思い出が吹き出てきて、 まあ、何はともあれ奸譎な僕の物語も、 陥欠ながら、汗血編です。
撮影が終わった一週間後、 フィルムの現像が終わったから。と呼び出される。
何をするのかと思ったら、 此処からが大変。
1:フィルムをつなぎ合わせる 2:背景の音を入れる 3:台詞をアフレコする
という作業が必要だと言うのだ。 なるほど。
まず、フィルムをつなぎ合わせる。
此れが面倒くさい。 2巻のフィルムの内、使えそうなものを繋ぎあわせなくてはならない。 フィルムと言うのは知っている人も多いと思うが、 左右に穴が開いていて、真ん中に絵がある。 その絵が、1秒間に24コマあるわけです。 これを、専用のカッターで切っていくのですが、 2巻分と言うと、もう、何十メートルもあるわけですよ。 それを、ちまちまカットして、繋ぎ合わせる。 繋ぎ合わせるのは、専用の透明なテープを表と裏に貼り付けて繋ぎます。 テープが透明なので、映写に影響は無いんですね。 これを、手動ですが、自動的にやってくれる機械があります。 小さいので、手じゃ無理です。左右の穴をふさいでしまうと上映できなくなりますし。
これをもう、6時間くらいかけてやっと終了させるわけです。 そうそう。 よく、映画の撮影前に、カチンコでシーンやカット数を書いたものを鳴らすじゃないですか。 アレって、ただの飾りかと思ってたんですが、 数メートルもある素材から、必要なカットを取り出すのに凄く便利です。 このためにあるんだ。と感心しました。
さて、繋ぎ合わせたら後は音入れです。 カメラにマイクが付いていない(し、買う予算がない)と言うのと、 マイク付きのカメラで撮ると声がはっきりしないと言うのが、 主な原因らしいです。
2トラック録音できる機材だったので、 まず、1トラック目に背景の音を入れます。 背景の音といっても、持っているサウンドトラックCDの曲を流すだけなんですが……
あれ? CDプレイヤーと、録音機が繋がっていないぞ。 部長。部長。あのー。CDプレイヤーと録音機を繋ぎたいんですけど。
繋げないよ。
え?でも、あそこに、ラインインて書いてあるので、線で繋げば……
え?本当?そんなことできるの!?
はい。出来ます。 というわけで、部室を探したらでてきたオーディオケーブルでCDプレイヤと録音機を繋いで、 音を録ります。
……ところで、今まではどうやって録音してたの?
マイクを繋いで、プレイヤから流れる音を録っていた。
あ……あ、あ、あそう。 引きつった笑顔を浮かべながら、 一応この大学理系最高峰って言われてるんだよな。 これも、ゆとり教育の弊害か。 俺より上の世代だけどさ。
と、いうわけで、あの大学の映画部がもし、今、ラインインにCDプレイヤを繋いで、 音を入れているのだとしたら、僕が祖です。 (いや、部長の彼が知らなかっただけかもしれないけどさ)
で、音も一通り入れたので、あとは、台詞入れです。 気付けば外はもう夜です。 授業が終わった1年生も集まってきました。 何とか、彼らが帰る前に……
ごめんなさい。 6人しか居ないんですけど。
ああ、彼ね。用事があるとかで、来られない。
あ、あはははははは。 彼ってさあ、一応、主役(探偵役)じゃん? 探偵役が来ないってどういう了見じゃあア!!!
結局、俺が彼の声をやることに。 とほほ。
シナリオ兼監督兼主人公の声ですよ。 やっほう!(ヤケクソ)
台詞入れ開始。 んが、 1年がもうとことん台詞入れがやりたくない。 台詞入れって言っても、スタジオじゃなく、部室で録っているわけです。 部室って言っても、掘っ立て小屋みたいなものですよ。 外の音が聞こえるのはまだいいです。 それは仕方ありません。 1年がやっている、マージャンとマリオカートの音が入ってるんですよ。
すいませーん。 マリオカート、音が入るんで、ボリューム消してもらえますか。
→舌打ち
すいませーん。 ××君、出番なんで、一旦マージャンやめて……
→舌打ち
もう少し、やられたって感じで台詞を……
→舌打ち
やってらんねええ!!
問題。 上の台詞は誰のものでしょうか?
答え。 1年。
真面目に撮る気がないならやめさせてもらうわ!! 一応、完成して一通りチェックした後、 俺は、二度と映画部に近づくことは無かった。 何回か、映画祭で上映され好評を博したとか博さなかったとか。 そういう噂は聞こえてきたが、 俺がスクリーンでそれを見ることは無かった。 今だと、フィルムじゃなくてディジタルで撮るのだろうな。 とか、思ってみるが、 そういった意味では貴重な経験だったと思う。 多分、相当昔のフィルムも残している部活だったから、 今でもあるんじゃないかと思うが……
今見たら恥ずかしいんだろうなあ。
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