復活日記
written by YOLY
生まれ変わって、虫になって。

Back To Index 復活日記 筋少日記 静謐日記

最新七日間を表示

月別表示
<<  2006/9  >>
SMTWTFS
12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

語句検索

RSS

 2006 /9 /27
・何か思いついたネタ
 私は、人を殺してしまった。
 後悔はしている。罪の意識は一生消えることはないだろう。
 肉に、ナイフが突き刺さる感触は今でもリアルに思い出せる。
「お前が殺したんだな」
 暗い取調室の中、刑事は私に凄んで見せる。
「私じゃあ、ありません」
 私は酷く怯えながらそういう。
 「殺した」と刑事が言うたびに、私が殺した、恋人だったあの男の
断末魔の表情が脳裏に浮かび、私の身は恐怖ですくみあがる。
 だが、それでも、認めるわけにはいかない。
 認めてしまったらお終いだから。
「この、人殺しが」
 ボソリと刑事がつぶやく。
 人殺し。
 そう、だからこそ私は此処に居る。
「まだ、認めないって言うのか」
 完全に私を疑っている目つきで私をにらむ。
「お前が、恋人である金宮淳を刺し殺したって言うのは分かっているんだよ」
 まだ、威嚇だ。
 さっきからコレの繰り返しで、私もつい自供したくなる。
 だが、自供したら負けだ。
「私は、殺してなんかいません」
 震えながら、しかしはっきりと言う。
「証拠はあるんですか」
 あるわけがない。だってーー
「証拠はない。だが、状況はお前がやったと示しているんだ」
 困ったような表情に変わる。
 だが、やはり私は認めるわけにはいかないのだ。
 私が犯したわけでもない殺人を。
 だが、警察は私を疑っている。
 当然なのかもしれない。
 これも、罰なのかもしれない。
 しかし、それでもやはり認めるわけにはいかない。
 いくら、私が過去に人を殺し刑に服していたとしてもだ。


Back To Index 復活日記 筋少日記 静謐日記