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2006
/9
/27
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・何か思いついたネタ
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私は、人を殺してしまった。 後悔はしている。罪の意識は一生消えることはないだろう。 肉に、ナイフが突き刺さる感触は今でもリアルに思い出せる。 「お前が殺したんだな」 暗い取調室の中、刑事は私に凄んで見せる。 「私じゃあ、ありません」 私は酷く怯えながらそういう。 「殺した」と刑事が言うたびに、私が殺した、恋人だったあの男の 断末魔の表情が脳裏に浮かび、私の身は恐怖ですくみあがる。 だが、それでも、認めるわけにはいかない。 認めてしまったらお終いだから。 「この、人殺しが」 ボソリと刑事がつぶやく。 人殺し。 そう、だからこそ私は此処に居る。 「まだ、認めないって言うのか」 完全に私を疑っている目つきで私をにらむ。 「お前が、恋人である金宮淳を刺し殺したって言うのは分かっているんだよ」 まだ、威嚇だ。 さっきからコレの繰り返しで、私もつい自供したくなる。 だが、自供したら負けだ。 「私は、殺してなんかいません」 震えながら、しかしはっきりと言う。 「証拠はあるんですか」 あるわけがない。だってーー 「証拠はない。だが、状況はお前がやったと示しているんだ」 困ったような表情に変わる。 だが、やはり私は認めるわけにはいかないのだ。 私が犯したわけでもない殺人を。 だが、警察は私を疑っている。 当然なのかもしれない。 これも、罰なのかもしれない。 しかし、それでもやはり認めるわけにはいかない。 いくら、私が過去に人を殺し刑に服していたとしてもだ。
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