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2009
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/19
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・なんでもない話
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新宿の駅ビルの中を歩いていたら、 ピンク色の携帯電話が落ちていた。 ソフトバンクの犬のストラップが付いていたので、 おそらくソフトバンク製だろう。
あ。落ちてるなと思って素通りして5歩くらい歩いている間に、 あの携帯電話はきっと女の人のものだろう。 アレを拾ったら、電話がかかってきて、 届けてあげたら大金持ちの女の人の邸宅で、 萎縮している僕に向かってその人は、 お礼に何も出来ませんがと、食事をご馳走してくれて、 なんだかんだあって二人は付き合うことになって、 3年後、結婚して、4年後子供が生まれて、 10年後、子供が小学校に入学して。 22年後、中学校に入学して。 28年後、大学に入学して。 34年後、大学を卒業した息子は、医者になって。 42年後、孫が生まれて。 48年後、妻が死んで。 69年後、99歳の春。あと一週間で100歳という日、 妻の写真を眺めながら、眠るように死んでいて、 そこで流れている曲は、筋肉少女帯の「じーさんはいい塩梅」だったりして。 でも、シャッフルで聞いてたもんだから、 次に流れる歌が「人間嫌いの歌」で、ひ孫ドン引き。
と、東京大学物語さながらの妄想全開で、 これは拾うしかない。と振り向いたら、 携帯電話はすでにありませんでしたとさ。
ま、結局、タイトルにあるとおり、 なんでもない話。なんですよね。
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