復活日記
written by YOLY
生まれ変わって、虫になって。

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 2013 /12 /9
・5日目 セカンドインパクト
 朝、目が覚めると凄く寒い。
 これが、バルセロナの朝なのか。
 と思って、布団にくるまる。
 しかし、寒い。

 空調どうなってるんだよ。
 と思って、エアコンの設定温度見たら10度。

 うう。
 なんの嫌がらせだよ。
 クーラー効いてるよ。
 一気に30度まで上げ、凍死を防ぐ。

 本日は、午前中、ツアーでサグラダファミリアを見た後、
 午後は適当にぶらつく予定。

 というわけで、朝食を食べ、
 (ここの朝食は普通だった。
  気持ちの持ちようかも知れないが)
 ツアーの待ち合わせ場所に移動。

 地下鉄に乗ると、日本語で
 『手荷物にお気をつけ下さい』の放送。
 マドリードでは無かったので、
 そこまでスリが酷いのかと戦々恐々となるも、
 まあ、カードも財布もないし、
 もうすられた後だし、
 何も恐れる物は無い!
 と、……と。

 ツアー開始。

 早速サグラダファミリアに移動。
 ツアーに参加しているのは、
 おばちゃん×3
 おばちゃん×1
 おばちゃん+多分その娘
 という、おばちゃんフェスティバルに娘という、
 わあい。女性祭りだよ(おばちゃんだけど)。

 ガイドさんもおばちゃんだったので、
 謎のぶっきらぼうなでくの坊が1人混ざっている状況。

 ここでも、スリに気をつけて下さいと言われれる。
 どれだけスリ多いんだよ。バルセロナ。
 いくらなんでも、もうスられないだろう。
 もう一度スられたんだし。
 もう一度……。

 サグラダファミリアはそれはもうすばらしく、
 ガイドさんの説明も面白くてわかりやすく、
 コイツは来てほんま正解やったでえ!


サグラダファミリア外観。



サグラダファミリア内部。



サグラダファミリア内部2。



キリスト復活の様子を描いた彫刻。



塔も昇りました。


 その後、ゴシック地区を探索した後、


カタルーニャ音楽堂。



カテドラル。



バルセロナの普通のアパートから見つかったらしい、
ローマ時代の石柱。


 海辺へ移動して、ツアー終了。


コロンブスの像でツアー終了。


 気づけばもう、午後1時。
 事前に、パエリアを1人前から出してくれる店が、
 このシーサイドにあると聞いていたので、そこに移動。

 パエリアって、2人前からご注文のお店が多いので、
 一人旅だとなかなか食べづらいのよね。

 炊きあがるまで20分かかるけど良いか?
 と言われるので、OKと答える。
 飲み物はいらないか? と聞かれるが、
 結構残りのお金も厳しくなっている上、
 パエリアも22ユーロ(≒3000円)と
 なかなか良い値段なので、
 お酒はあきらめ、水で食べることにする。

 と、さっきのツアーで一緒だった人(おばちゃん+娘)が
 隣の席に座る。
 向こうにも気づかれるが、
 特に会話を交わすでもなく別テーブル。
 しかも、向こうの位置はコチラの死角。
 何か、緊張する。

 とか何とかやっていると、パエリア到着。
 美味し。


最初で最後のパエリア。


 ちょっと芯が残っている感じの炊きあげ方で、
 ちょっと塩気がキツイのが本場流なのだな。

 ぺろりと平らげて居ると、
 くだんの隣の席の人にもパエリアが到着。
 ワインと一緒に食べている姿がうらやましすぎる。
 くうー。

 良い旅をと声をかけ、
 パエリア点を出発。
 こちらも、良い旅をと言われる。

 もう、スリに遭った数日前に比べ、
 心のダメージも回復した。
 良い旅になっているさ。
 黒いマリア像にも祈ったし。

 そう思いながら向かったのは、
 サグラダファミリアを設計したことでも有名な、
 天才建築家ガウディが設計したと言われる公園、
 グエル広場。

 なんでも、10月末頃までは無料で入れたのだが、
 今は、16ユーロ(≒2240円)の入場料がかかるとのこと。
 それは高いなあと思いながらも、
 良い場所だと聞いていたので、折角だからと行くことにする。

 乗り換えの時に、ちょっとしたことを思いだし、
 一旦地下鉄の駅から外に出て、
 街を散策。
 ちょっとしたことと言うのは、
 先ほど、ツアーバスで移動しているときに、
 ゲームショップを見つけていたのだ。

 ゲーム制作に関わっている物で、
 海外のゲームショップって言うのは結構気になる物なので、
 どうせだったら見てみようと。

 通りの名前を何となく覚えていたので、
 ぶらつきながら探す……が、
 なかなか見つからず。

 ついでにこの近くにある、コチラもガウディが設計した、
 カサ・カルベットを見てみることにする。

 あまりに町中に溶け込んでいたので、
 本当にコレか?
 といぶかしがるも、それを写真に収めている人も居たし、
 見た目的には特殊だし、ガイドブックの写真も多分コレなので、
 コレって事で、写真を撮影。


多分コレ(笑)。


 ゲームショップも無事発見。

 こんなソフトも売っているんだあというのが趣深かったので、
 写真撮っても良いですか?
 と店員に聞いたら、明らかにおかしな人を見るような目で見られた後、
 写真? この店の中を?
 ……モチロン、ノーだ。
 と、断られる。
 まあ、そうか。


外観のみ撮影。


 時間もなかなか良い時間になってきたので、
 グエル公園に急ぐ。
 駅から結構離れた場所にあるので、
 迷うかな? と思ったのだが、案内板がそこかしこにあるので、
 そんなに迷わず。

 それよりむしろ、高台にある公園なので、
 そこにある坂道に辟易。
 なんじゃこりゃあ。
 坂道を登り切るとそこには坂道が。

 これ、辛いよ。
 と思っていると、町中にエスカレーター登場。

 ありがとう文明。
 ありがとうエスカレーター。


ありがとうエスカレーター。


 で、何となく公園に入ってみる。
 あれ? お金取られないぞ。
 と思い、小高くなっている所に昇り、
 バルセロナを一望する。


小高い丘。


 サグラダファミリアも見える。


中央左にあるのがサグラダファミリア。


 若干傾きかけた、
 冬の日差しが心地よい。

 でも、ここって、まだ、ガウディの何かがある訳じゃないし、
 もっと奥にその、有料ゾーンがあるんだよなあ。
 と思いながら黙々と歩く。

 しばらく歩くと、ガウディの彫刻とかがあるゾーンに到着。
 何か、綺麗な景色を見てお腹いっぱいになっていたのと、
 結構入場料が高いので、
 中はいらなくても外から撮影すれば良いかと。


ここが、ガイドブックなんかに載っているグエル公園。
入りたかったけど、1000円くらいかかるからなあ。


 そのまま歩き続けたら、正門みたいなところに出る。
 さっき入ったのは裏口だったのか?

 こちらでも別の何かを見るのにお金がかかると。
 うーん。まあいいや。そろそろ、別のモノも見たいし。
 と、グエル公園を後にする。

 グエル公園の近くに、
 これまたガウディの設計した、
 カサ・ビセンスと言う建物があると言うので行く。

 うーん。
 誰にも注目されていないが、
 これで本当いいのか?


多分これ2。


 あまりに溶け込みすぎているぞガウディ。
 ガイドブックに載るほどの名所(しかも世界遺産)なのに、
 もっとアピールはしないのか。

 次に行くのは、
 グラシア通りからランブラス通り。
 ここで、お土産を買ったり、
 ガウディの建物を見たりしようという魂胆である。


カサ・ミラ



カサ・バトリョ



カサ・アマトリェー


 という、有名な建物を外から見る。
 (※カサ・アマトリェーはガウディでは無く、カダファルクの作品)

 中にも入りたかったけど、
 16〜22ユーロ(2240円〜3000円)かかるので、
 ちょっと厳しいなあと、あきらめる。
 しかし、バルセロナのこういうの、高いよなあ。
 マドリードの美術館でも9ユーロくらいだったのに。

 まあ、その分、美味いモンくったり、
 お土産にお金をかければ良いかと。

 ガイドブックでコレは美味しそうだと、
 見つけたお土産屋を探しながら、
 迷いながら、
 どんどん南下していく。


スペイン最後の日が暮れる。


 途中、両替屋があった上、
 日本のマークがあったので、
 明日、日本に帰って関空/成田に到着して、
 10ユーロを日本円に両替出来なかったら、
 実家に帰れないなあと思い、
 10ユーロ両替出来ないか?
 と聞いたら、10000円にしか両替出来ないと言われる。
 まあ、そうか。

 町中にあるピカソの壁画を撮ったり、
 お土産を買ったりしていたら、
 日もどっぷり暮れる。


ピカソの壁画。


 ボケリーア市場という所に移動。
 一昨日行ったサンミゲル市場と異なり、
 こちらは、市場感が強い。


雑多な感じが良い感じ。


 のども渇いていたので、
 パパイヤとココナッツのミックスジュース(1ユーロ)を
 ごくごく飲み、気分は高揚。

 世界のビールが飲めるというバル(バーの事)に、
 ふらりと入ったら、ウエルカム爆乳ちゃん。
 (表現が下世話だなあ)

 入って気づいたけど、
 スペインに来てわざわざ他の国のビール飲むこと無いよね(笑)。

 適当につまみとビールを注文すると、
 その場で精算を要求される。
 何か、隣の人も要求されていたのと、
 入ろうとした人が何か入り口で言われた後に帰ったので、
 店閉めるのか?
 と思ったけど、飲み終わったらお代わりいるか?
 と聞かれたので、そうじゃなかったっぽい?

 ただ、ここで頼んだつまみが、
 乾燥してカピカピだったので、
 うーん。この店イマイチだな。
 まあ、ここで酔って訳わかんなくなるより、
 ホテルの近くで飲んだ方が、
 気兼ねなく飲めるし、そうしよう。

 と、ホテルに戻ることにする。

 にしても、あといくら残っているんだっけ?
 と各所に仕込んだユーロを取り出すと、
 10ユーロ札1枚と
 50ユーロ札1枚のみ。

 結構使ったなあ。
 60ユーロって事は、1万円弱か。

 夕食に20ユーロ。
 明日の昼飯に10ユーロ。
 空港でお土産20ユーロ購入。
 で、成田から実家までの移動に10ユーロ。
 ってところか。

 空港までの移動も考えないとなあ。
 まあ、お土産で調整するか。

 と、そのまま、何も考えずに
 ジーパンの前ポケットに2枚の札を突っ込む。



 このとき、こんな大衆の面前で確認しなかったら――



 地下鉄に入ると、何となく、
 地下鉄構内の写真が撮りたくなったので撮影。


この右上に電車到着までの時間が
表示されているのが撮りたかったんだよなあ。


 まあ、札があるのは、
 コートの下のジーパンの前ポケットだし、
 いくらスリが狙ったところで、
 盗まれることは無いだろう。
 どうだい?
 盗める物なら、盗んでみるかい?

 挑発するかのごとく、
 一眼レフカメラを首からかける。

 電車を乗り換えると、
 ぐいぐいと体を押してくるおっさん。
 おいおいおっさん。
 わかりやすすぎるスリだぜ。
 流石に、札は取られないだろうが、
 iPodとか、iPhoneを盗まれるのは本意では無い。

 バッグの入り口とコートのポケットをしっかり押さえ、
 体に緊張を走らせる。
 盗める物なら、盗んでみやがれ。

 おっさんはあきらめたのか、
 体を引くと、ゲホゲホと咳をはじめる。
 おいおい、病気かいおっさん?
 それとも、あきらめたかい?

 一駅の間、
 おっさんに注視。
 緊張は緩めない。

 次の駅でおっさん下車。
 ふ。俺は、勝ったのだ。
 スリに、勝ったのだよ。


 ……ん?


 電車が走り出す。

 んん?

 目の前に居る男が、
 ニヤニヤと自分を見ている気がする。

 ま、
 まさか。

 ジーパンの前ポケットに手をやる。

 そこにはかさかさとした札の感触が……

 ……感触が

 感触が、無い。
 無い
 無い
 無い。


 なん……だと。
 おっさんの動きに怪しいところは無かった。
 いや、全部怪しかったのだが、
 流石に……いや、しかし、ジーパンのポケット、
 しかもコートの下だぞ。
 気づくだろう。
 いや、気づかなかった。
 スゴイ。

 勝ったと思ったとき、
 そいつはすでに敗北している。


 なんだとおおおおおおおおおおおおおおお!

 急ぎ他に盗られた物は無いか確認。
 札だけのようだ。
 いや、1万近い額なので、
 だけって事は無いが。

 ああ。
 夕飯。
 今日も抜きか。
 いや、さっきちょっと食っておいて良かった。

 あああ。
 ウソだろ?
 あ。
 明日、空港までの旅費は?
 あ。
 ポケットに小銭がある。
 うわ。ギリギリだ。
 ギリギリなのか?
 値段が解らんので何とも言えない。
 あ。
 夜のサグラダファミリア。
 キレイ。
 いや、撮ってる場合じゃ無い。


本当はもっと何枚も撮りたかったけど、
2枚しか撮っていなかった。
よほど動揺していたんだろう。


 昨日も書いたとおり、
 朝食が付いているかよくわからないツアーなので、
 俺は明日朝食を食べられるか?
 Can I eat breakfast?
 とフロントで聞くも、怪訝な顔で、Yesと答えられる。
 まあ、なかなかに意味解らない質問だよな。

 聞くなら、freeか聞くべきだったか。
 (まあ、向こうにしたらそれもおかしな話か?)

 部屋に戻り、空港までの値段を調べる。
 持っている金額でギリギリ……足りない。

 2キロくらい歩かなくてはいけない。
 うわあ最終日だって言うのに最悪だ。
 最悪だ。
 最終日だから美味いモン食おうと思っていたのに。
 一転して、お腹ペコりんだよ。

 黒いマリア様、効果無いんじゃ無いの。

 ゲンナリしながら、
 実家に成田まで迎えに来て欲しいというメール。

 そのまま、お風呂に入ることにする。
 風呂のシャンプーと石けんのにおいが紅茶のニオイで、
 紅茶嫌いな自分としては、不快で、
 昨日は、それも又良しと許容出来たのだが、
 今日はもう憂鬱な気分に輪をかけて不快で、
 厭な気分になる。

 はあ、2キロ歩くのか。
 と、iPhoneで調べていると、
 別ルートなら歩かなくてもOKかもしれないと言うことに気づく。
 ただ、この値段がサイトによってまちまち。

 うーん。
 どうしたモンかなあ。

 もう少しお金があれば、
 ルートが広がるんだけどなあ。
 金なんて無いよなあ。

 ちゃりん。

 ん?
 上着から、2ユーロ出てきた!?

 こいつは、マリア様の奇跡か!
 ウソのような本当の話。

 これで、何とか帰れる。
 よかった。
 気づくと、実家から、迎えに行くとのメール。
 これで、成田に帰れさえすれば、
 実家に帰ることが出来る。
 ほっとしながら、
 ベッドの中に吸い込まれていく……。
 あー。腹減った。

 次回、ついに最終回。
 本当に、日本に帰れるのか。
 朝食は食べられるのか。
 この日記は本当に日本から書いているのか――?


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